2010年4月22日木曜日

道の駅; 八王子滝山

 本日の首都圏ネットワークより、道の駅について。

 国土交通省の主管事業に「道の駅」事業がある。公式HPによると、22年3月1日時点で全国に936の道の駅があるそうだ。

 その機能要件として、
①駐車場、トイレ、電話は24時間利用可能
②案内人がいて、親切に情報を提供
が挙げられているが、個々の駅に見る多様性はなかなか興味深い。

 番組で取り上げられていたのは、東京都内の八王子滝山という場所である。東京都内では実は唯一の道の駅であるらしい。

 建物自体がかなり広く作られており、新鮮な地産の野菜の売り場、それを加工した惣菜やアイス(たけのこアイスはおいしいんだろうか)の販売など、ちょっとしたスーパーの様相だ。無論、地場産業の特産品も扱っており、おみやげ探しに立ち寄るのもよい。ちなみに八王子は織物で知られているとのこと。建物内にはちょっとしたスペースがあって催事にも活用できたり、災害用の緊急避難所としての備品や非常食を整えていたりするなど多機能である。

 そもそも道の駅の設置には地域色を活かした地域振興という狙いもあるようで、八王子滝山のように単なる休憩所には留まらず複合的なサービスを行っている施設もある。その数は近年順調に増加しているようだ。そこにはエコツーリズムや地方への興味の高まりという背景があって、公共交通機関の整備が不十分な地方・地域における自動車利用者をターゲットとしたサービスが求められていたからではないか。

 その需要側に対して、地域社会・住民の知や意欲を取り込み供給者としての役割を確保することで、地域自体の活性化や連携の強化を図れるという双方にとってメリットがあるのだろう。加えてコミュニティスペースとしての機能を持たせる例もあるのだから面白い。
 主にはドライブのポータルとして、また内外遠近の人々の交流拠点として、地域色を集約・発揮した魅力ある駅作りを期待している。

ところでドライブ好きな人は目的地を決めるのにどんな情報元を持っているのだろうか。TOYOTAがプロデュースするドライブ情報サイト「GazooMura」のようなリソースを発掘していきたい。

2010年4月14日水曜日

格安とモラル; 航空業界の話題

 NHKの夕方番組である首都圏ネットワークで、「日本の空・路線拡大続く格安航空会社の現状」として航空業界の話題が俎上に載せられた。

 海外の航空会社が格安の料金を武器に日本の旅行業界に進出しているという。
オーストラリア・ニュージーランドを拠点とするジェットスター航空では、一人分の料金で二人分の旅券を購入できるような破格のキャンペーンを実施するなど人気の様子。

・機内食/ドリンクは希望者のみ有料で提供
・業務範囲の拡大による?人員の削減?(詳細は聞き洩らしたが、一人でより多くの仕事量をこなすということだと思われた)
・着陸後の機体整備や清掃の時間を短縮することで、一機体当たりのフライト回数を増加
etc...

 合理化することで安価な料金での提供を可能としたことには見習うべき点もあろうけど、機体を遊ばせておく時間を切り詰めることは安全とのトレードオフになるのではないかという点が気がかりではある。つまり労働者の待遇や労働環境を締め付けているのではないかという懸念である。

 消費する側にとっては安ければ安いほど有難いけど、過剰な価格競争は消費者を傲慢にし、供給者の首を絞めることになると思う。消費者至上主義的な市場動向のひずみが表面化している分野の代表は、農家や漁業者など第一次産業に属する生産者だろう。
 
 とはいえ生活者としての僕は、スーパーに行けば商品の値札を見比べつつ売り場を行ったり来たりで、生産者のことよりも懐のことばかりを考えている。今ではどのスーパーでもトレーサビリティを意識して生産者の氏名や写真を添えてあるけれど、国産か否かの違いほどには作り手のことを考えてはいないのだ。

 その一方で理想家としての僕はテレビや本を前に生産者の身の上や国の行く末を案じもする。価格競争の熾烈さに眉を顰めはするけど、結局はそのことによって安穏とした生活を送れているのだろう。

 消費者のモラルを育てることも、適正な市場をつくり労働者の立場を改善することも、一朝一夕で解決できる問題ではないけれど、何か身近なところで関わりをもてないかとは思う。